マイクロ化学プラントの最適設計・操作

日本の化学産業を高付加価値製品生産にシフトしなければならない、という話はよく聞きますが、どうしたら可能でしょうか。1つは高付加価値の物質を見つけることです。これは、化学者の仕事です。では、その物質をどうやって生産したらよいでしょう。これを考えるのは、化学工学者の仕事です。高付加価値製品の生産には、温度や滞留時間を厳密に制御することが必要です。そのような操作が可能なプラントとして、近年マイクロ化学プラントが注目を集めています。流路の幅を数百μmとすると、格段に温度や滞留時間を制御しやすくなるのです(理由はわかりますか)。

当研究室では、このようなマイクロ化学プラントの設計法、操作法、異常診断法(流路が狭いとよく詰まるのです)の開発を行っています(詳細は、殿村助教のページ)。

また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の革新的部材産業創出プログラム「革新的マイクロ反応場利用部材技術開発プロジェクト」のプロジェクトリーダーとして、マイクロ化学プラントの実現に向けて、研究を進めています。

科学の進歩により、ミクロな現象解析の分野は日々進歩しています。残念ながらこれまでの化学工学はこのようなミクロな分野での研究成果をマクロな装置・プラント設計に十分活用してきたとはいえません。これは、複雑すぎて精密な数式モデルが作れないことが大きな要因でした。マイクロ装置では流れが層流になることが多く、装置内の物質の挙動を正確に表現しやすいという特徴を有しています。この点に注目し、21世紀にふさわしい化学装置・化学プラントの設計法の提案を目指した研究も進めています。マイクロプラントの設計法の開発は、下図に示すようにこの目標の第一ステップです。

マイクロ化学プラント