修士論文リスト
2016年度
伊藤 良太
サプライチェーンを考慮した木質バイオマスの最適利用構造導出
尾鍋 洋次郎
気液スラグ生成マイクロシステムの不安定流動解析とモデリング
辻 赳士
熱交換を考慮した膜ー蒸留ハイブリッドプロセスの最適合成
西 和希
閉塞診断機能を有する三次元流体分配装置の最適設計
若林 克弥
化学プロセスの短期スケジューリング手法に関する一考察
2015年度
壹岐島 淳也
蒸留-膜分離ハイブリッドプロセスの最適合成
孟 晋寧
生産計画とスケジューリングの統合に関する一考察
瀬戸 樹
Czochralskiプロセスにおける結晶半径予測のためのグレイボックスモデル構築
多賀 敏暉
圧力変化を用いたマイクロリアクタ閉塞診断のための流体集配装置設計
荒居 直道
充填層型コンパクトリアクタ内の気液流動様式推定
2014年度
鄭 忠超
Czochralskiプロセスの物理モデル構築と実データを用いたモデル精度の検証
古賀 超
木質バイオマスからの化成品製造プロセス構造の導出と経済性検討
北口 翔太
不確定性を考慮した生産流通計画の計算負荷軽減手法の開発
高瀬 洋志
3成分蒸留プロセスの最適構造導出手法
桃野 孝宏
オリフィス付流路を用いた並列マイクロプロセスの低圧力損失流体分配
2013年度
阪下 翔太:
タンディッシュ内溶鋼温度制御用グレイボックスモデルの開発
髙島 健人:
並列気液マイクロプロセスの流体分配挙動解析と装置設計
友利 洋輝:
T型マイクロミキサの気液スラグ長さ推定モデルの開発
守本 玲:
並列マイクロリアクタの安定運転を実現する流体分配装置設計
藤原 達弥:
マルチスケールモデルを用いたサプライチェーン計画システムの開発
2012年度
堀脇 一樹
運転条件の不確定性を考慮したマイクロ流体分配装置設計
山﨑 崇芸
気液スラグ流を伴う並列型マイクロリアクタの最適設計
2011年度
安藤 隆一
品質推定のための適応型変数選択手法の開発
岡島 亮太
非線形システムを対象とした高精度局所PLSモデル構築手法
北川 裕一
応答曲面法とCFDを用いたT字マイクロリアクタ形状設計手法の開発
佐々木 啓伍
マルチスケールモデルを用いたサプライチェーンの生産・輸送・在庫計画
宮林 圭輔
間接的計測情報と物理モデルを用いた管型マイクロリアクタの運転監視
2010年度
AHMAD IFTIKHAR
Data-Based Ground Fault Diagnosis for Power Cable System
金 尚弘
統計的波長選択手法と局所PLSを用いたAPI含量推定システムの開発
坂田 武昭
Just-In-Time型統計的プロセス管理システムの開発
辻 勇斗
マイクロリアクタの最適流路構造決定法の開発
2009年度
加納 潤一:
粒子フィルタによる管型マイクロリアクタのオンラインモニタリング
木村 勇太:
バイオマス最適利用構造構築支援システムの開発
信貴 洋平:
モデル予測制御系を対象としたモデルミスマッチ検出手法の開発
辻本 昌洋:
溝付電極を有するマイクロ電解リアクタの開発
2008年度
川島 康人:
バイオマスサプライチェーン構築支援システムの開発
久保田 将人:
Reduced-order modelに基づくT字マイクロリアクタ最適設計法
田坂 謙一:
直接的PID 調整法の化学プロセス制御への適用
吉田 新太:
ベイジアンネットワークに基づくコストミニマムな故障診断手順の決定
2007年度
辻 悠佑:
不確定需要に対する将来の計画見直しを考慮した生産計画モデル
永原 聡士:
管型マイクロリアクタの状態・パラメータ推定と最適センサ配置
巻田 浩:
2成分蒸留塔に対する熱バランスに着目した多重定常状態解析手法
向井 洋介:
変数間の相関に着目したクラスタリング手法の開発およびその多変量統計モデリングへの利用
2006年度
高瀬 達弥: 随伴変数法を用いたマイクロ流路形状最適化
マイクロ化学プロセスの特長を最大限に利用するために,デバイス形状の最適な設計が重要となる.流体と構造が連成する分野における形状最適化は,評価値を計算するために流れの支配方程式を解く必要があるため,設計変数の数が増えるにつれ多大な計算時間を要する.本研究では,全ての設計変数に対する評価値の感度を2度の評価値の計算と同程度の計算負荷で求めることができ,多設計変数問題に有利である随伴変数法を用いる.随伴変数法をマイクロ湾曲流路とマイクロ分岐流路の圧力損失最小化問題に適用し,最適形状を導出することで,手法の有効性を確認した.
冨成 尭行: 二重管型マイクロリアクタを対象とした最適センサ配置
マイクロ化学プロセスの実用化に際して,プロセス管理に必要不可欠であるモニタリングシステムの開発が求められている.しかし,マイクロ化学プロセスでは,そのスケール故に利用可能なセンサの数や種類が制限される.そのため,測定可能な入力,出力から内部の状態を推定することによりモニタリングを行うシステムが必要となる.そこで,本研究では二重管型マイクロリアクタを対象とし,内壁温度から製品濃度分布を推定するモニタリングシステムを開発した.そして,最適センサ位置のロバスト性,およびマイクロ化学プロセスにおいて重要な性質である壁内の軸方向熱伝導が状態推定精度に与える影響を検証することにより,開発したモニタリングシステムの有効性を確認した.
中尾 公人: 内部熱交換を考慮した蒸留システムの最適化
化学工業において,蒸留は多くのエネルギーを必要とする単位操作であり,蒸留プロセスの消費エネルギー削減は重要な研究課題である.本研究では,多成分系の蒸留分離問題に対して消費エネルギーを最小とする蒸留システムをシステマティックに導出する手法を開発した.本手法では,リボイラ,コンデンサ間だけでなく,濃縮部,回収部間といった蒸留塔内部における熱交換も考慮して蒸留システムを最適化することができる.最適化は,蒸留システム合成問題を1つの混合整数線形計画問題として定式化することで行う.開発した手法をエタノール,イソプロパノール,プロパノール,イソブタノール,ブタノールの5成分系蒸留分離問題に適用し,手法の有効性を確認した.
LEE SEUNGHYUN: 二段階部分空間同定法によるソフトセンサー設計
産業界において製品品質などの重要な変数はオンラインで測定できない場合が多いため,ソフトセンサー設計は非常に重要な技術の一つとなっている.本研究では,システムに混入する非観測外乱の影響を考慮できるソフトセンサー設計法として二段階部分空間同定法を提案する.二段階部分空間同定法は,1) 測定された入出力データを用いて状態空間モデルを構築する(第1 同定),2) 得られた残差変数から非観測外乱変数を推定する(外乱推定),3) 入力変数と非観測外乱の推定値を入力に品質変数(推定対象となる変数)を出力にする状態空間モデルを構築する(第2 同定)の3 ステップからなる.さらに,二段階部分空間同定法の有効性をケーススタディを通して確認した.
2005年度
大前 順平: 廃棄物利用プロセスの柔軟性評価手法
環境問題に対する意識が高まり、廃棄物を有効に利用したプロセスを設計しようとする動きが盛んに見られるようになった。しかし、廃棄物を利用するプロセスでは廃棄物が定常的に供給される保証はないため、廃棄物の流入条件が変動しても柔軟に対応できることが要求される。本研究では、廃棄物を利用するために設計されたプロセスが廃棄物の流入条件の変動にどの程度柔軟に対応できるかを示す手法を提案する。提案手法は、プロセス中の要素技術への許容入力範囲を示す指標を用いる。その指標の値を大きくするようにプロセスの構造を変更すれば、柔軟性を高めることもできる。開発した手法の有効性を、ケーススタディを用いて検討した。
福島 知洋: 内部熱交換型蒸留塔の構造と制御性に関する研究
内部熱交換型蒸留塔(HIDiC; Heat Integrated Distillation Column)と呼ばれる省エネルギー性に優れる蒸留塔が提案されている.本研究では,HIDiC実証プラントを模擬するダイナミックシミュレータを開発し,HIDiCの様々な装置構造と制御構造について,その省エネルギー性,動特性,および制御性を検討した.従来型蒸留塔に比べて,HIDiCでは消費エネルギーを25%,留出蒸気を原料予熱に用いる理想的HIDiCでは42%削減できることが示された.内部熱交換によって,HIDiCの制御性能は制御構造に強く依存するため,適切な制御系を設計する必要がある.様々な装置構造と制御構造を検討した結果,省エネルギー性と制御性を両立させるためには,留出蒸気を原料予熱に用いるHIDiCを留出液量とリボイラ加熱量で制御すればよいとの結論を得た.
藤原 幸一: 運転データに基づく品質改善システムの開発
今日,製品のライフサイクルが短くなるにつれ,短期間で品質や歩留まりを改善することが強く望まれている。本研究では,品質改善を目指したプロセスの解析・制御・管理を統一的に実施できる階層型品質改善システム(HiQIS)を開発した。また,バッチプロセスにおける品質予測を目的とした統計モデル構築手法として,ウェーブレット解析を用いたウェーブレット係数回帰(WCR)を提案した。さらに,WCRに基づいてバッチプロセスでの品質改善手法を提案した。
2004年度
齊藤 隆寛: 廃液処理プロセスの最適合成と新規要素技術評価手法の開発
環境問題に対する意識の高まりから,多くの環境負荷軽減技術が開発されている.これらの新規技術が有効か否かは,導入先のプロセスに大きく依存する.本研究では,既存のプロセスに新規要素技術を導入する際に求められる性能とコストの関係を計算する手法を提案した.提案する手法では,まず利用可能な要素技術を組み合わせたスーパーストラクチャを作成し,最適プロセス合成問題を混合整数線形計画 (MILP) 問題として定式化する.次にこの問題を解くことによって得られた最適なプロセスに対して,新規要素技術を加えて問題を再定義し,新規要素技術の目標コストを計算する.開発した手法を,窒素とリンを含む2種類の廃液を処理するプロセスに対して適用し,その有効性を示した.
藤岡 徳: 積層型マイクロ化学プロセスを対象としたプロセスシミュレータの開発と異常診断
マイクロ化学プロセスの動特性について検討するためには,数値流体力学とは異なる,計算負荷の小さなダイナミックプロセスシミュレータが不可欠となる.また,微小流路を利用するマイクロ化学プロセスの実用化に際しては,閉塞箇所を正確に特定できるシステムの開発が必要である.そこで,本研究ではまず,マイクロ化学プロセスを表現できるプロセスシミュレータの開発を行った.従来のプロセスシミュレータでは無視されてきたデバイス壁内の熱伝導の影響を考慮するため,壁ユニットを導入したことが特長である.次に,異常発生時の運転データに基づく手法と簡易物理モデルに基づく手法の2種類の異常診断手法を提案し,積層型マイクロ熱交換器へ適用した結果,より少数のセンサで,各段の様々な度合の閉塞を診断できることを確認した.
2003年度
松本 卓也: 高速起動操作を考慮した燃料電池システムの最適プロセス合成
プロセスの非定常操作を考慮した熱交換ネットワーク最適設計手法を開発した.提案する手法では,定常プロセス熱交換ネットワークの最適設計に用いられるトランスシップメントモデルに,プロセスに含まれる主要機器の離散化モデルとして熱的動特性を組み込むことで,モデルの線形性を維持したまま各機器の昇温速度制約などの動的操作制約を考慮した設計を可能とした.開発した手法を,高速起動操作を目的とした燃料電池熱交換ネットワークシステムの合成問題に適用しその有効性を確認した.
丸田 浩: プロセス運転データを用いた制御性能評価手法および調節弁固着検出手法の開発
化学プラントにおいて高い生産性を実現するためには,高い制御性を維持する必要がある.このため,制御性能の評価・監視に関する研究が注目されている.本研究では,化学プラントで広く利用されているPID制御で達成可能な制御性能の限界を明らかにし,従来の最小分散制御に基づく制御性能評価手法をPID制御に適用する際の問題点を示した.また,制御性能評価に際しては,設備に異常がないことを確認しなければならない.そこで,制御性劣化の要因である調節弁固着現象をモデル化し,固着の程度を定量化できる調節弁固着検出法を開発した.さらに,実プラント運転データに提案法を適用し,その有効性を実証した.
2002年度
田中 章平: 主成分分析と独立成分分析に基づくハイブリッド異常検出システム
現代の化学プロセスにおいては,主成分分析(Principal Component Analysis, PCA)に基づく多変量統計的プロセス管理(Multivariate Statistical Process Control, MSPC)が広く用いられている.近年,独立成分分析(Independent Component Analysis, ICA)に基づく新しい異常検出手法が提案されたものの,主成分分析に基づく異常検出手法と比べて,常に優れた性能を発揮するわけではないことが報告されている.そこで,本研究では両手法の特徴を捉え,双方の利点を併せ持つ新しい異常検出手法(Combined MSPC, CMSPC)を提案し,その有効性を示した.
殿村 修: プレートフィン型マイクロデバイスの熱・流動特性解析と設計
プレートフィン型マイクロデバイスの熱伝達特性解析により,軸方向(流れ方向)熱移動が熱交換性能の低下を招くことを明らかにし,軸方向への熱移動効果を考慮した温度効率線図を作成した.この線図の特徴は,予め与えられた設計条件と操作条件から流体温度変化を推測できる点にあり,装置設計に要する時間の短縮に繋がる.又,流動特性解析により,並列化された分岐流路における流体の平均滞留時間を均等化するためには,出口マニホールド面積を拡大する必要があることを明らかにした.これは,出口マニホールド面積が小さいと,流体の加速による静圧低下の影響が分岐流路に及び,分岐流路内の圧力バランスを崩すからである.更に,機械加工したマイクロデバイスを用いて流量測定実験を行い,CFDシミュレータの妥当性を確認した.
服部 雄高: 多工場を対象とした分散型SCMシステムの構築
本研究では,生産や納入に要するリードタイム,時間外生産(残業,休日出勤)を考慮したサプライチェーンモデルを提案するとともに,そのモデルに対する意志決定支援システムとして分散型SCMシステムを構築した.本研究で対象とするサプライチェーンは,顧客,営業部門,組立工場,部品工場,サプライヤーからなり,サプライチェーンを構成する各部門が頻繁に情報交換を行うことにより全体として良好な生産スケジュールを作成することが可能な分散型SCMシステムを構築した.シナリオベースのシミュレーションを行い開発したシステムの有効性を確認した.
2001年度
井上 太一: 需要の不確定性を考慮したスケジューリングシステム
企業において生産計画,スケジューリングを行う際に需要は必ずしもすべて確定しているわけではない.日々注文を受け徐々に需要が確定してゆく.そのような状況下においてもスケジュールは作成せねばならず,予測需要量と確定需要量による需要量の差は見込み生産量として生産するように計画されている.本研究においてはそのような状況の下でどのようにスケジューリングを行えば良質なスケジュールを作成できるかを検討し,良質なスケジュールを作成するシステムの構築を行った.また,そのシステムを用いて需要の発生の不確定性に対して製品在庫保持の有用性を確認した.
加古 敏弘: 連続蒸留パイロットプラントの製品組成推定制御
連続蒸留塔の製品組成の制御において温度制御に代わる制御手法として,塔内温度,流量,圧力などオンラインで容易に測定可能な変数から製品組成を推定し,その推定値に基づいて制御を行う推定制御が提案されている.本研究では,連続蒸留パイロットプラントを用いてエタノール/1-プロパノール2成分系の蒸留実験を行い,推定制御の有効性を検証した.その結果,製品組成推定値を制御量とする推定制御を外側ループに,温度制御を内側ループに持つカスケード制御が温度制御に較べて優れていることを確認した.さらに,製品組成の推定において静的モデルよりも動的モデルを用いた方が推定精度がよいことも示した.
倉世古 浩志: SOFC発電システムの起動シーケンス最適化
燃料電池の一種であるSOFC発電システムを対象として,運転上の制約を満たしながらその起動時間を最短とする最適起動シーケンスを導出した.SOFC発電システムには昇温速度,装置内温度分布に関する制約があるため,その最適起動シーケンス導出問題は状態制約付き動的最適化問題となる.そこで本研究では,変数離散化と逐次2次計画法を組み合わせた動的最適化手法を最適起動シーケンス導出問題に適用した.その際各操作変数に対し制約を設けて操作変数間の干渉を抑えることにより,最適解を得た.また終端条件として発電定常状態を最適化問題に組み込むことで,昇温開始から発電定常状態までを一括した最適起動シーケンスを導出した.
2000年度
小山 順司: 共沸分離プロセスの最適合成支援システムの開発
共沸分離プロセスの最適なエントレーナの選択と分離シーケンス合成を支援するためのシステムを開発した.共沸分離プロセスの合成では,分離成分数や蒸留操作回数の増加とともに候補となるプロセス構造の数が指数関数的に増大するため,最適なプロセス構造の効率的な探索手法が重要となる.提案するシステムでは,理論的に考えられる全ての分離シーケンス候補の中から,分離成分の様々な物性情報を利用して,分離不可能もしくは非効率な候補を段階的に除去する.また,分離シーケンスの最適操作条件導出を,蒸留境界線や物質収支を制約とした線形計画問題,ダイナミックシミュレータを用いた非線形計画問題の2段階で進めることで計算時間の短縮を図った.Water-Ethanol混合物の分離問題に開発したシステムを適用し,本システムの有効性を確認した.
阪田 明弘: 生産計画とスケジューリングの統合
バッチプロセスを対象とした生産計画とスケジューリング問題のモデル化を行った.構築したモデルでは,需要の不確実性を考慮して問題設定を行っているという特徴を有する.本モデルを用いて,生産計画とスケジューリングをどのように統合するかについて検討し,スケジューリングシステムから生産計画システムへ情報をフィードバックする手法を提案した.そして,提案した手法は,生産計画システムからスケジューリングシステムへの情報伝達のみによる階層的手法よりも,需要状況の変動に対して柔軟に対応できることをシミュレーションにより明らかにした.
瀬川 彰継: 多変量解析手法を用いた化学プロセスの異常検出と異常診断
化学プロセスを運転する際には,安全かつ効率的であることが要求される.そのため,プロセスの状態を把握し,迅速かつ正確な異常の検出・特定を行うシステムが必要と なる.計測・保存されたデータを用いて運転監視を行うために,多変量解析手法の利 用が提案されている.本研究では,多変量解析手法のうち,移動主成分分析による手 法と運転データの非類似度を指標とする手法を用いて異常検出を行うと共に,これら の手法を拡張し,異常検出時と過去の異常発生時の運転データを比較することにより 異常の特定を行う異常診断手法を提案する.また,提案する手法の有効性をCSTRシミュレーションにより得られたデータを用いて検証した.
谷口 洋志: 制御性を考慮した晶析プロセスの設計
連続晶析プロセスにおいて,結晶粒径分布(CSD: Crystal Size Distribution)が持続的に振動する場合があり,CSDの振動を抑制する技術の確立が求められている.振動を抑制する安定化制御系の性能は,装置の設計条件に強く影響される.このため,安定化を容易に実現するためには,制御性を考えて装置を設計する必要がある.そこで,晶析装置の制御性を表す指標を提案し,制御性を考慮した晶析装置の設計法を提案した.具体的には,晶析装置の設計問題をコストと制御性の2目的最適化問題として定式化し,これを遺伝的アルゴリズムを用いて最適化する方法である.更に,本手法の有効性はシミュレーションによって確認された.